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とても狂おしいはなしを。
私に、こんな感情を呼び起こせるのか、と思う人がいる。
言葉になんかならない、
ちいさなちいさな人としてのおおきなおおきな喜びと、
近寄るのすらためらう泣き叫びたくなるような悲しみを、
まったく同じ瞬間に感じるひと。
強烈な”欲しい”と、強烈な”おそれ(拒絶)”が、私の中には存在している。
人がひととしてふかくふかくから愛される喜びと、
それを受け取る怖さである。
その人の一挙一動が私を反応させるのである。
挨拶も、立ち振る舞いも、ふとした言葉も、表情も、仕草も。ほんとうに。
今思えば、それは初めて会ったときから今までずっと続いている。
目に見えない、感じ取れさえしないところでずーっと流れいてる文脈だ。
いまここで、それが立ち現れる。
強烈な喜びと、強烈な悲しみをわたしに渡して。
私にとっての父親のような存在だけれども、父親ではない。
その胸に飛び込みたい衝動と、それが許されない哀しさが一緒にいるのだろう。
こんなに苦しい気持ちになるのなら、
いっそとおくへ離れたいです。
わたしはどうしたらいいですか。
いまも、抱きしめられた感覚がわすれられない。